ちちぶ・木の家専門店 夫婦で営むJIROKEN工務店土屋賢次郎です。
先日、とある方から電話をいただきました。
私:「もしもし...」
S氏:「おー!土屋かあ?元気かあ?俺だあ!話がある。会えるかあ?」
私:「はい!わかりました。15分で伺います。」
それは、中学時代の恩師の先生からの電話でした。
S先生:「おー!来たかあ!まー上がってお茶でも飲んでけ!」
私:「・・・。」
なんだろう。この緊張感。
まるで職員室に呼び出されて怒られるときのような雰囲気。
S先生:「実はな、色々頼みたいことがあって。今までお世話になってた大工さんが数年前に亡くなって困ってるんだが、リフォームお願いできないか?」
私:「なんだあ。リフォームの話かあ。ありがとうございます。てっきり 昔みたいに怒られるかと...」
S先生:「なんだ!まだ怒られる様な事してるのか!」
という事で先ずは40年前に植えた大きな木の伐採。
私:「先生。40年前に植えたというこの木。いろいろ思い出があるんでしょうね?」
S先生:「ない!気がついたら勝手に大きくなってた。」
私:「えっ?一つもないのですか?」
S先生:「まったく無い!ただ、子どもと一緒だな。俺さあ、お前らが迷惑かけるから自分の子どもと関わる時間なくて... 他人の子の面倒ばかりみてた。だけど、この木と同じで、勝手にまっすぐに成長した。」
確かにS先生は、僕たち生徒に一生懸命だった。
「こいつをどうにか助けてやろう。」
そういう気持ちが伝わってきてた。
あれから、33年経ったけど全然かわらない。
「大工さんが亡くなって困っている。」なんて言ってたけど
本当は教え子の俺を助けてくれようとしている...
先生には知識ではない、もっと大切な事を教わった。
人としての生き方のようなもの。
そして今でも教わっている...
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