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心を磨く

執筆者の写真: JIROKENJIROKEN







秩父の工務店

秩父・木の家専門店 夫婦で営むJIROKEN工務店土屋賢次郎です。







先日、息子が何も言わずに、突然グローブとスパイクを磨き始めました。







その姿を見た瞬間、胸の奥にじんわりと温かいものが広がり、言葉にならない感動を覚えました。







これまで、「やりなさい」と言わなければ動かなかったあの息子が、今は一人で黙々と道具を手入れしている。








何があったのだろうか、と心の中で問いながら、陰から彼を見つめていました。









彼の手の動きは実に丁寧で、まるで大切な友達に話しかけるかのようにグローブを磨いています。









耳を澄ませると、彼の小さな声が聞こえてきました。








「頼むぞ…」




「お願いだから、次は頼むよ…」









その瞬間、私の胸は一気に熱くなりました。








彼は、次の試合でエラーをしないように祈っているのでしょうか。







それとも、ストライクがしっかり決まるように、道具に願いを込めているのでしょうか。









その小さな声からは、ただの子どもではなく、勝ちたい、もっと上手になりたいという強い想いが滲み出ているのがわかりました。








思い返せば、彼は試合の時もバットを決して投げることはありません。








打った後はいつもバットをそっと置いてから、一塁へと走り出す姿がありました。









これは、彼が道具に対して敬意を持って接している証。








私がずっと言い続けてきた「道具を大切にしない者は、上手くなれない」という言葉が、いつの間にか彼の心に根付いていたのです。








「道具には魂が宿る」という教えは、私自身の仕事でも同じです。







良い職人は道具を大切にする。







道具は単なる道具ではなく、共に仕事をする相棒であり、友人であり、時には人生を支えるパートナーでもあるのです。








イチローがバットを決して投げないのも、王さんがバットと一緒に寝ていたという逸話も、ただのエピソードではなく、そこには道具への深い敬意が込められていると私は信じています。









そんな大切な教えが、息子にも伝わっているのだと思うと、言葉にできないほど嬉しかったです。








彼の小さな背中を見つめながら、私は確信しました。







道具を大切にし、語りかけるその姿勢が、彼をきっと強く、そして優れた選手へと育ててくれるのだと。









磨き終わった息子に、私はふと尋ねました。







「何やってたの?」





彼は、いつものようにそっけなく答えます。





「別に…」









その「別に」の裏には、どれだけの決意や思いが込められているのだろう。








そう感じながら、私は彼の成長をしみじみと噛みしめました。








息子の背中には、確かにこれから広がっていく未来の姿が重なって見えました。








息子が成長しながら、その未来に向かって歩んでいく姿を、これからもそっと見守り続けたいと思います。


 
 
 

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