秩父の工務店
秩父・木の家専門店 夫婦で営むJIROKEN工務店土屋賢次郎です。
先日、友人の個展に足を運びました。
場所は、築100年以上の古民家。柱には明治の文字が彫られていて、まるで歴史そのものがそこに息づいているようでした。
この家は、かつて養蚕を営んでいた場所で、2階部分だけを移築したもの。
木の温もりがそのまま感じられる空間は、どこか懐かしさと安心感を与えてくれます。
そこに立つと、ふと耳元で
「俺がつくった傑作を、これからも大切に使えよ」
という当時の大工さんの声が聞こえてくる気がするんです。
私がカナダでログビルダーをしていた頃、木にはただの材料以上の意味があると学びました。
木は家の一部であり、時間と共に変化しながら家族の暮らしを見守る存在なのです。
私自身、一級建築士として、木と向き合い、その「語りかけ」に耳を傾けることの大切さを強く感じています。
木造建築はただ建てて終わりではありません。
家族がそこで息づき、時間と共に家も育つのです。
この古民家に使われていた曲がり木、その一本一本がまるで大工さんの手によって生かされ、家族の物語を見守ってきたかのようでした。
木造建築は、適切に手入れをすれば100年、200年と長持ちします。
世界最古の木造建築物 奈良の法隆寺は1300年も続いているように、木はしっかりと愛情を持って接すれば、未来へと家族の歴史をつないでくれる。
そんな力があるんです。
JIROKEN工務店の家づくりも同じです。
私たちは、家をただの建物としてではなく、「家族の物語を育む場所」として考えています。
家には、そこで過ごす人々の笑い声、涙、そして日々の営みが刻まれます。
私たちの木の家は、まるで家族の一員のようにその瞬間瞬間を見守り、支えていきます。
私の9歳の息子も、最近では自分のグローブやスパイクを丁寧に手入れするようになりました。
「道具には魂が宿る」
という私の教えを受けて、道具を大切に扱う姿を見ていると、家を愛し、育てることも同じだと感じます。
木の家もまた、私たち家族と一緒に成長していく存在なんです。
この古民家を見たとき、家族の歴史が詰まった木の家の素晴らしさを改めて実感しました。
木の家は、ただの建物ではありません。
家族の絆を育み、次の世代へと大切な思い出をつないでいく場所です。
そして、その思い出は、未来の家族へと引き継がれていくのです。
家に帰れば、木の香りがただよう温かな場所が待っている。
その家で過ごす時間が、家族の宝物になる。
そんな家を、私たちJIROKEN工務店はつくり続けます。
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