ジャイアン来たる

秩父・木の家専門店 夫婦で営むJIROKEN工務店土屋賢次郎です。
2月18日(土)この日は一生忘れない日と私の記憶に刻まれるだろう...
一本の恐怖の電話が...
「俺や!今晩行くから酒用意しとけ!じゃあ よろしく。」
20年ぶりにきいた声
わすれもしない...
ジャイアンの声
20数年前、カナダで一緒に働いていた先輩「ジャイアン。」
今は北海道ニセコでログハウスを建てている Okinyのシゲさんからの電話でした。
私は緊張のあまり電話をしながら直立不動そしてお辞儀。
「はい」しか言えませんでした。
そしてすぐにビール、ウイスキー、肉を買いにスパーへ。
「やばい。酒と肉が無いと殺される!」

来た!
ジャイアン!
ジャイアンは野球好き
20数年前、カナダで一緒にログハウスをつくっていたころ
なぜか、踵をついて歩いたり、走ったりすると怒られた。
「おい!Kenjiro!踵がついてるぞ!つま先立ちじゃあ!」
夏の暑い日
40℃近い気温の中、太い丸太ををコンテナに積みこ込む仕事。
コンテナの中は、まるで地獄。
多分50℃は超えていただろう...
そんな中、水を飲みながら作業をしていると
「こら!Kenjiro!なに水飲んでんねん!10年早いわ!」
私の指にトゲが刺さると。
「ワシがトゲとったる!針もってこい!」
そして、針でプスプス...
血が噴き出ているのをみて悪魔のような笑顔。
まるで昭和の野球部の先輩。
私にとっては地獄のエンマ大王のような存在。

そんな Okinyのシゲさん。
当時 就労ビザがきれて私は働けない時期がありました。
働けないという事は収入がゼロ。
精神的にも肉体的にもどん底の時期。
そんなある日、当時のログハウスの会社の社長が私に話してくれました。
社長「今朝、シゲちゃんが俺のところに来て言ってたよ。」
シゲさん:「社長。俺 ログビルダー辞めます。だからKenjiroみたいにやる気のある奴にビザ出してあげてください。」
当時、一つの会社には就労ビザの枠があり、就労ビザがもらえる人数が決まっていました。
その枠を自分が犠牲になり 私に譲っていただけるということ。
それを聞いて私はすぐにシゲさんにお礼を言いにいくと
シゲさん:「そんな事言っとらん!何かの勘違いじゃ!お前にビザなんてもったいないわ!」
本当にジャイアンだあ。
こんないじわるな人
こんな怖い人
こんな悪い人
に会ったことない。
こんな心の温かい人にも...