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ほそいたてもの






秩父・木の家専門店夫婦で営むJIROKEN工務店の土屋賢次郎です。







先日、息子とドライブしていた時のこと。







突然、助手席の息子が叫びました。







「細い!!なんだあれ!?細いぞ!!」







そんなに興奮することある!?と思いながら前を見ると――







たしかに細い。







異様に細い。






「え!?なにこれ!?」







そこには、“建物”と呼んでいいのか迷うくらい、シュッッッとした細長い建物が立っていました。








ログビルダー時代、カナダでもいろんな建物を見てきました。




一級建築士になってからも、たくさんの家を見てきました。








でも。






「なんでこうなった?」







という建物は、やっぱり面白い。







息子と二人で、


「これは近くで見なければならない案件だ。」


ということで、近くのパーキングへ。







近くで見ても、やっぱり細い。







横から見たら、


「え、これ厚みある?」


というレベル。







息子と二人で建物を見上げながら、







「どうやって建てたんだろう…」




「法的にどうクリアしたんだろう…」




「そもそも何の建物なんだろう…」








建築士脳がフル回転。







すると突然、



「パパ、こっち見てよ。魚。」







息子の視線の先には、魚の旗。







なんとそこ、たい焼き屋さんでした。







なるほど。





細い建物の正体は、たい焼き屋。







とりあえず、



小倉ひとつ。カスタードひとつ。


注文。







焼きたてを頬張りながら、思い切ってお店の人に聞いてみました。







「なんでこんな細い建物なんですか?」




すると返ってきたのは、





「いやあ…私たち、建物の持ち主じゃないので分からないんですよ。」



とのこと。




さらに、






「どうやって建築確認とか法的な部分クリアしたんでしょうねぇ?」






「いやあ…分からないですねぇ。」








結局、


なにも分からない。







分かったのは、


“たい焼きがおいしい”



そして“建物が細い”







それだけ。







でも、なんだかこういうの、好きなんですよね。







効率とか、常識とか、普通とか。






そういうのをちょっと飛び越えて、






「なんかつくっちゃった人」







がいる感じ。






昔、都内で見たへんてこな建物も、なぜか今でも覚えています。

















建築って、性能やデザインももちろん大事だけど、







最後は、





“記憶に残る力”なのかもしれません。







息子と一緒に、細い建物を見上げながら笑った時間。







たぶん数年後には、建物のことより、




「あの時たい焼き食べたよな」




って思い出になるんでしょうね。







家づくりも、そんなふうに。







完璧より、家族の記憶に残る場所をつくれたらいいなあと思った細い建物見学でした。









 
 
 

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