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未来を伸ばす一枝







秩父・木の家専門店 夫婦で営むJIROKEN工務店 土屋賢次郎です。







先日、現場で植木屋さんと話をする機会がありました。








何気なく見ていた剪定作業。








でも、そのハサミの一振り一振りに、ものすごい意味があることを知りました。









「この枝は切っちゃダメなんですよ」








そう言って指さしたのは、まだ細くて頼りない一本の枝。








「これを切ると、この木は弱って枯れちゃう可能性があるんです」








え?そんな一本で?

と思った私に、植木屋さんは笑いながら続けました。








「逆にね、今は元気に見えるこの枝は、将来邪魔になるから今のうちに切るんです」








――未来を見て、今を切る。








さらにこんな話も。








「この木は上にどんどん伸びる性質があるから、屋根の近くには向かないんです」


「この木は葉が大きいから、目隠しには最高ですね」








木の“性格”を読み、“どこでどう育つか”を見抜き、その未来に合わせて手を入れていく。









ただ切るんじゃない。“育てるために切る”。








これ、めちゃくちゃ面白い!








ふと、思いました。









これって、まるで人間教育だな、と。







やってはいけないことは、ちゃんと止める。







でも、ただ抑えつけるんじゃなくて、その子の“伸びる方向”を見極める。









今は細くて頼りなく見えても、未来を支える大事な枝かもしれない。








逆に、今は勢いがあっても、そのまま伸ばしたら周りを傷つけてしまうかもしれない。








だから、見て、感じて、考えて、手を入れる。







しかも、愛情を注ぎながら。







そんなことを考えていたら、昔聞いた島田紳助さんの話を思い出しました。








「ぐれたやつが立ち直るか、そのままいくかの違いは何か。親があきらめたか、あきらめなかったかや」









植木屋さんの話と、どこか重なるんです。








枝も、人も、“見放された瞬間に枯れていく”。









でも――見続けてもらえた枝は、ちゃんと伸びる。








家づくりも、同じだと思っています。






その土地にどんな木を植えるか。






その家族がどんな暮らしをしていくのか。







日当たり、風、成長、時間の流れ。








全部をよんで、“今やるべきこと”を決める。








ただ建てるんじゃない。






“育つ家”をつくる。







植木屋さんのハサミを見ながら、なんだか、父としての自分を見られているような気がしました。








ちゃんと見ているか?


ちゃんと信じているか?


ちゃんと、あきらめていないか?








木も、子どもも、家も。







大事なのは、「未来を信じて、手を入れ続けること」なのかもしれません。








 
 
 

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