〜甲子園への旅〜
- JIROKEN

- 4月6日
- 読了時間: 3分

先日、甲子園の決勝戦を観に行ってきました。
話は、数週間前にさかのぼります。
一本のLINEから、この旅は始まりました。
Sさん:「甲子園、観にいくのか?」
私:「今年は近所の子が横浜で出るので、行こうかと思ってます」
Sさん:「ほなら、大阪桐蔭と智辯和歌山、行くぞ!」
私:「行くって?」
Sさん:「練習試合や。ワシの教え子が札幌第一におってな。息子と来い!」
——相変わらず、話がデカい。
Sさんは、根っからの野球人。
カナダで一緒に働いていた頃は、チームを作って大会に出るほどの熱量でした。
うるさいし、厳しい。
でも、不思議と「何か起きそうだ」と思わせてくれる人。
まるで、スクールウォーズの世界。
寄せ集めのチームが、数年で準優勝。
あれは本当にすごかった。
仕事が終われば、毎日バッティングセンター。
週末は試合か練習。
「ここ、日本の野球部か?」
「俺、いまカナダだよな?」
何度もそう思いました。
本当は、湖のほとりでBBQでもしたい。
のんびりキャンプでもしたい。
でも、Sさんの一言。
「おい!週末、練習やぞ!空けとけ!」
「来んかったら、来週口きかんぞ!」
——完全にジャイアン。
私はのび太。
そんなSさんからの誘い。
断れるわけがありません。
新大阪に到着した夜。
私:「大阪着きました。明日8時にお願いします」
Sさん:「今どこや?」
私:「うどん食べてます」
Sさん:「近いやんけ。今すぐ来い!」
……いや、もう20時過ぎ。
ホテルでゆっくりしたい。
そう思いながらも、息子KSKと向かいました。
Sさん:「おー来たか!久しぶりやな!KSKでかくなったな!」
「とりあえず食え!お前らのために頼んどいたから!」
テーブルいっぱいのお好み焼き、モダン焼き。
——いや、さっきうどん食べたばっかり。
KSKが目で訴えてきます。
「パパ…もう無理…」
私も目で返します。
「食え。ここで残したら終わるぞ。」
するとSさん、
「おうKSK、腹減っとったんか!まだ足りんな!」
「おっちゃん!たこ焼き追加や!」
KSKの顔が、ゆっくり曇っていきます。
私:「Sさん、さっきうどん食べてきたので…」
Sさん:「何言うとるんや!体でかくせなホームラン打てんやろ!」
——めちゃくちゃです。
でも、どこかあったかい。
そんなSさんとの野球旅。
厳しいし、雑だし、いびきもうるさい。
でも、息子KSKはSさんが大好きです。
「智辯に行きたい」と言えば、OBに会わせてくれる。
親戚のおじさんみたいに、本気で面倒を見てくれる。
そして迎えた、甲子園の決勝。
夢の舞台をこの目で見て、3泊4日の野球旅は終わりました。
帰り道。
KSK:「俺、たこ焼きもういらない…」
私:「そりゃそうだろ(笑)」
「Sさんも、もういいだろ?」
KSK:「いや…また会いたい」
私:「なんで?あんなに怖くて、いびきもうるさいのに」
KSK:「たしかに怪獣みたいだった。でも…また会いたい」「なんでかは分からないけど…」
そうなんです。
「なんでか分からないけど」
この感覚。
きっと、人と人との本当のつながりって、理屈じゃないんだと思います。
不器用で、暑苦しくて、強引で。
でも、心の奥にちゃんと届いている。
家づくりも、きっと同じ。
図面や性能だけじゃなくて、「なんかいいな」って感じてもらえること。
その正体は、人の想いだったり、関わりだったりするのかもしれません。
甲子園への旅。
それは、野球だけじゃなくて、人のあたたかさを再確認する旅でもありました。
そしてKSKの中にも、ちゃんと何かが残ったはずです。
たこ焼きのトラウマと一緒に...



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