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〜甲子園への旅〜







先日、甲子園の決勝戦を観に行ってきました。







話は、数週間前にさかのぼります。







一本のLINEから、この旅は始まりました。









Sさん:「甲子園、観にいくのか?」



私:「今年は近所の子が横浜で出るので、行こうかと思ってます」



Sさん:「ほなら、大阪桐蔭と智辯和歌山、行くぞ!」



私:「行くって?」



Sさん:「練習試合や。ワシの教え子が札幌第一におってな。息子と来い!」







——相変わらず、話がデカい。







Sさんは、根っからの野球人。






カナダで一緒に働いていた頃は、チームを作って大会に出るほどの熱量でした。








うるさいし、厳しい。








でも、不思議と「何か起きそうだ」と思わせてくれる人。









まるで、スクールウォーズの世界。







寄せ集めのチームが、数年で準優勝。







あれは本当にすごかった。







仕事が終われば、毎日バッティングセンター。






週末は試合か練習。







「ここ、日本の野球部か?」


「俺、いまカナダだよな?」







何度もそう思いました。







本当は、湖のほとりでBBQでもしたい。






のんびりキャンプでもしたい。








でも、Sさんの一言。






「おい!週末、練習やぞ!空けとけ!」


「来んかったら、来週口きかんぞ!」


——完全にジャイアン。


私はのび太。







そんなSさんからの誘い。







断れるわけがありません。







新大阪に到着した夜。







私:「大阪着きました。明日8時にお願いします」



Sさん:「今どこや?」



私:「うどん食べてます」




Sさん:「近いやんけ。今すぐ来い!」




……いや、もう20時過ぎ。


ホテルでゆっくりしたい。







そう思いながらも、息子KSKと向かいました。







Sさん:「おー来たか!久しぶりやな!KSKでかくなったな!」






「とりあえず食え!お前らのために頼んどいたから!」







テーブルいっぱいのお好み焼き、モダン焼き。







——いや、さっきうどん食べたばっかり。







KSKが目で訴えてきます。


「パパ…もう無理…」





私も目で返します。


「食え。ここで残したら終わるぞ。」







するとSさん、





「おうKSK、腹減っとったんか!まだ足りんな!」



「おっちゃん!たこ焼き追加や!」






KSKの顔が、ゆっくり曇っていきます。







私:「Sさん、さっきうどん食べてきたので…」




Sさん:「何言うとるんや!体でかくせなホームラン打てんやろ!」








——めちゃくちゃです。





でも、どこかあったかい。








そんなSさんとの野球旅。






厳しいし、雑だし、いびきもうるさい。






でも、息子KSKはSさんが大好きです。







「智辯に行きたい」と言えば、OBに会わせてくれる。






親戚のおじさんみたいに、本気で面倒を見てくれる。







そして迎えた、甲子園の決勝。


夢の舞台をこの目で見て、3泊4日の野球旅は終わりました。







帰り道。







KSK:「俺、たこ焼きもういらない…」




私:「そりゃそうだろ(笑)」

「Sさんも、もういいだろ?」







KSK:「いや…また会いたい」







私:「なんで?あんなに怖くて、いびきもうるさいのに」







KSK:「たしかに怪獣みたいだった。でも…また会いたい」「なんでかは分からないけど…」







そうなんです。





「なんでか分からないけど」





この感覚。







きっと、人と人との本当のつながりって、理屈じゃないんだと思います。







不器用で、暑苦しくて、強引で。






でも、心の奥にちゃんと届いている。







家づくりも、きっと同じ。


図面や性能だけじゃなくて、「なんかいいな」って感じてもらえること。


その正体は、人の想いだったり、関わりだったりするのかもしれません。








甲子園への旅。







それは、野球だけじゃなくて、人のあたたかさを再確認する旅でもありました。







そしてKSKの中にも、ちゃんと何かが残ったはずです。







たこ焼きのトラウマと一緒に...










 
 
 

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